「刊行物」ページに『東京大学構内遺跡調査研究年報』17(2023年度)を掲載しました。
お知らせ
ダイバーシティ&インクルージョン棟B棟地点の調査が終了しました
写真1(現・暗闇坂方向へ下る坂道)
写真2(竪穴建物(弥生時代中期))
第二食堂の北側にある旧出版会・テニスコートの跡地は2024年に発掘調査が行なわれ、良好な状態で遺跡が確認されています。この付近は加賀藩邸内でも北辺にあたり、「御歩組(おかちぐみ)」と呼ばれる下級藩士の長屋でした。調査では、地下室・井戸・ごみ穴などをはじめとした長屋での生活に伴う遺構を中心に800基以上の遺構が検出されています。
また17世紀代の遺構が150基以上検出され、下屋敷だった時期においても敷地の端まで積極的に活用していたことが明らかになりました。なかでも現在の暗闇坂方向に続くとみられる坂道は、縁辺ならではの遺構といえます。長さ4.8m以上、幅1.35mにおよび、両脇には側溝を有しています(写真1)。路面は砂利敷で3回にわたり舗装し直されており、ある程度継続して利用されていたことがうかがえます。
このほか弥生時代中期の竪穴建物1軒が検出されています(写真2)。床面には炭化材や焼土が残り、宮ノ台期の土器を伴って出土しています。近在する東京都下水道地点(本郷87)でも同様の竪穴建物が確認されており、付近に集落があった可能性を示唆しています。
(執筆:小川祐司)
調査地点:ダイバーシティ&インクルージョン棟B棟(本郷345)
参考文献:「東京大学構内の遺跡 東京都下水道地点」(東京大学構内遺跡調査研究年報14、2021年刊行)
調査研究プロジェクト10「本郷キャンパスの弥生時代から古墳時代」2025年3月15日
調査研究プロジェクト10「本郷キャンパスの弥生時代から古墳時代」を開催します。
日 時:2025年3月15日(土)13:00~16:30(12:30開場)
会 場:東京大学法文1号館113番教室(東京都文京区本郷7-3-1)
交 通:東京メトロ丸ノ内線 本郷三丁目駅
都営地下鉄大江戸線 本郷三丁目駅
東京メトロ南北線 東大前駅
参加費:無料(事前申込不要)
共 催:東京大学埋蔵文化財調査室・次世代人文学開発センター・考古学研究室
プログラム:
1.主旨説明 山下優介(国立歴史民俗博物館)
2.東京大学医学部附属病院地区の古墳時代の遺跡 成瀬晃司・堀内秀樹(東京大学埋蔵文化財調査室)
3.弥生式土器1号と弥生町遺跡群形成の背景 篠原和大(静岡大学)
4.発掘調査からみえた古墳時代の本郷台 山下優介(国立歴史民俗博物館)
※詳細はチラシをご参照ください。
チラシ
シンポジウム「東大にねむる加賀藩本郷邸と江戸の宴」2025年3月9日
シンポジウム「東大にねむる加賀藩本郷邸と江戸の宴」を開催します。
日 時:2025年3月9日(日)10:00~16:00
場 所:東京大学国際学術研究棟 文学部3大教室
交 通:東京メトロ丸ノ内線 本郷三丁目駅
都営地下鉄大江戸線 本郷三丁目駅
参加費:無料(事前申込不要)
プログラム:
〇東京大学本郷キャンパスの発掘調査とその研究成果 10:00~
大成可乃(埋蔵文化財調査室)「発見された遺構と絵図に描かれた施設」
湯沢 丈(埋蔵文化財調査室)「加賀藩本郷邸への将軍御成」
谷川章雄(早稲田大学名誉教授)「近世考古学研究と大学埋蔵文化財調査室」
〇江戸の宴 13:00~
堀内秀樹(次世代人文学開発センター)「殿の宴会、家臣の宴会」
加藤元信(文京ふるさと歴史館)「江戸の宴 駒込の大店・高崎屋」
佐藤至子(国文学研究室)「江戸の戯作と双六に描かれた宴」
〇登壇者によるトークセッション 15:15~
モデレーター : 芳賀京子(次世代人文学開発センター)
※詳細はチラシをご参照ください。
チラシ
「資料の公開・利用」更新:三次元記録を掲載
「資料の公開・利用」ページに「赤門脇トイレ地点(仮) 石組排水溝」の三次元記録を掲載しました。