資料の公開・利用

学内展示

山上会館展示スペース
展示内容: 知のプロムナード 歴史と緑の道 「加賀百万石前田家の至宝」

 赤門で知られるように、江戸時代には本郷キャンパス大部分が、加賀藩前田家の江戸屋敷(本郷邸)がおかれた場所にあたります。
 現在の展示資料は、山上会館・御殿下記念館の建設に伴う発掘調査で出土した陶磁器片で、いずれも海外からの輸入品です。当時は、藩主主催の茶の湯や宴などにて使用されていたと思われますが、火災などの災害によって破損し、捨てられたものです。特に、伝世品が重要文化財に指定されている「瑠璃地白花牡丹文盤」などは、当時としても骨董品として珍重されていたと思われます。
 本郷邸の調査では他にも多くの高級陶磁器が出土しています。その背景には前田家の財力があることはもちろんですが、美術品に対する藩主の造詣の深さを窺い知ることができる資料といえます。
 また、右下写真の石垣(建築遺構土台)は、天和2年(1682)以前の本郷邸下屋敷時代に存在した建物跡で、現在、石垣の一部を移設・復元し、山上会館南口に屋外展示しています。

構内・周辺の展示等
※準備中

三次元記録

赤門脇トイレ地点(仮) 石組排水溝(SD2)

 石組排水溝(SD2)は、2023年に赤門北側で実施した発掘調査にて発見された遺構で、文政10年(1827)に前田斉泰(加賀藩13代藩主)に輿入れした溶姫(11代将軍徳川家斉21女)のために造られた御殿(御住居(おすまい)のち御守殿と改称)の表門(赤門)に続く藩邸囲障溝です。
 幅2.3m(溝底幅1.2m)と通常の藩邸囲障溝より広く、非常に丁寧に造られています。溝の両側には間知石(けんちいし)と呼ばれる四角錐形の石が積まれています。調査区域内では最下段しか残っていませんでしたが、本来はさらに1~2段積まれていたと考えられます。また溝底には玉砂利を敷き詰めた上に漆喰が塗布されていました。現状では部分的にしか残っていませんが、当時は溝底一面に施されていたのでしょう。
 興味深いのは、加賀藩邸側と中山道(現本郷通り)側で間知石の大きさに違いがある点です。中山道側は幅30cm程度ですが、藩邸側は幅約40cmと3割程度大きいものを使用しています。裏込め石も藩邸側が大きく、石組上に造られた塀の基礎構造と関係していると考えられます。
(執筆:小川祐司)

●下記サイトでは、マウスを使って3Dデータを自由に見ることができます。
  リンク先:東京大学生産技術研究所 インタースペース研究センター 大石研究室のウェブサイト
 ※新しいウィンドウが開きます。
 ※動作環境によって、データが表示されるまでに多少時間がかかることがあります。

三次元記録:東京大学生産技術研究所 インタースペース研究センター 大石研究室 提供
調査地点:赤門脇トイレ等新営その他地点(本郷338)

学外常設展貸出

東京国立博物館
展示内容: 平成館 日本の考古(テーマ展示)
『大名屋敷のうつわ―加賀藩前田家江戸屋敷跡の出土品―』
貸出資料:本郷構内出土近世資料(御殿下記念館地点、医学部附属病院入院棟A地点)
国立歴史民俗博物館
展示内容:常設展 第3展示室「近世」 「都市の時代」
貸出資料:本郷構内出土近世資料(医学部附属病院中央診療棟地点・入院棟A地点、御殿下記念館地点、医学部教育研究棟地点)

資料借用・掲載・閲覧申請

申請方法
下記の書類を、メール添付またはFAXで埋蔵文化財調査室宛にお送りください。

1.申請書:「資料借用・掲載・閲覧申請書フォーマット」(Excel版またはPDF版)をダウンロード。
2.使用資料の画像とキャプションがわかるもの。
3.承諾書書式、返信用封筒(承諾書が必要な場合のみ)。
資料借用・掲載・閲覧申請書フォーマット
Excelファイル

PDFファイル