東京大学埋蔵文化財調査室


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山上会館展示スペース

山上会館1階ロビーに、出土遺物の展示スペースが設置されました。現在は、下記の通り、東京大学130周年事業の一つである「知のプロムナード」の一環として、山上会館・御殿下記念館地点出土遺物から輸入陶磁器の一部を「加賀百万石前田家の至宝」として展示しています。事業終了の来年度以降随時展示替えを行い、構内出土資料の公開を行う予定です。

現在の展示案内
知のプロムナード 歴史と緑の道 「加賀百万石前田家の至宝」
 赤門で知られるように、江戸時代には本郷キャンパス大部分が、加賀藩前田家の江戸屋敷(本郷邸)がおかれた場所にあたります。

 現在の展示資料は、山上会館・御殿下記念館の建設に伴う発掘調査で出土した陶磁器片で、いずれも海外からの輸入品です。当時は、藩主主催の茶の湯や宴などにて使用されていたと思われますが、火災などの災害によって破損し、捨てられたものです。特に、伝世品が重要文化財に指定されている「瑠璃地白花牡丹文盤」などは、当時としても骨董品として珍重されていたと思われます。

 本郷邸の調査では他にも多くの高級陶磁器が出土しています。その背景には前田家の財力があることはもちろんですが、美術品に対する藩主の造詣の深さを窺い知ることができる資料といえます。

 また、右下写真の石垣(建築遺構土台)は、天和2年(1682)以前の本郷邸下屋敷時代に存在した建物跡で、現在、石垣の一部を移設・復元し、山上会館南口に屋外展示しています。

《参考:出土遺物類似伝世資料》
・青花葡萄棚水指:根津美術館所蔵品
・五彩花鳥文輪花皿:東京国立博物館所蔵品
・瑠璃地白花牡丹文盤:大阪市立東洋陶磁美術館所蔵品
               安宅コレクション(重要文化財)
・粉青象嵌梅瓶:大阪市立東洋陶磁美術館所蔵品



山上会館調査地点と本郷邸育徳園(三四郎池)
育徳園苑路(左)、下屋敷期の建築遺構(右)
青花葡萄棚水指片
古染付
明 17世紀前半
五彩花鳥文輪花皿
色絵祥瑞
明 17世紀前半
瑠璃地白花牡丹文盤
明 15世紀前半
粉青象嵌梅瓶
朝鮮 15世紀
藍絵草花文坏又は壺
オランダ 16-17世紀