東京大学埋蔵文化財調査室は、東京大学構内の施設整備に伴う発掘調査を担当しています。
東京大学本郷キャンパスは、本郷台遺跡群の一角にあり、弥生時代命名のきっかけとなった向丘貝塚が隣接しています。キャンパス内で発掘調査が本格的になったのは、1983年に本学創立100周年事業の一環として始まった、御殿下記念館、山上会館の建設からです。この試掘調査で本郷キャンパスの地下には、かってこの地にあった加賀藩本郷邸の遺跡が良好に遺されていることが明らかになりました。
本学では、総長を委員長とする臨時遺跡調査委員会が設けられ、その下に遺跡調査室が組織されました。1984年から1985年にかけて、遺跡調査室では、御殿下記念館・山上会館地点の調査をかわぎりに、医学部附属病院中央診療棟地点、法学部4号館・文学部3号館地点、理学部7号館地点で調査を実施し、調査面積は合わせて1万5000平方メートルにものぼりました。
これらの調査も1987年にはほぼ終了しましたが、その後も本郷キャンパスでの発掘調査は続きました。
遺跡調査室では1990年に埋蔵文化財調査室として改組・発足し、本郷キャンパスをはじめ、駒場キャンパス、三鷹学寮、検見川体育セミナーハウス、理学部附属臨海実験所など、各地に所在する本学校地で発掘調査を実施しています。
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